はじめに
「え? 0歳組で創造と協同遊びをする? えー!それって、やらせ?」「それとも英才教育とかいうもの?」
いーえ、可動遊具を他の玩具等と一緒に置いとくだけ。
自分たちで動かし、並べ、重ね等2―3人でかかわりながらけっこう、20分ぐらいは、遊びが続く。
こんな遊びを、もう7年間以上も見ていたが、改めて・・
日本保育学会に研究発表をいたしました。
研究方法
・0歳の保育室内には玩具類、設定大型遊具も他種多数置き、そこに可動遊具も加えて遊びの環境を作りました。・クラスは9名。07年6月―08年3月まで、観察して結果をまとめました。
・可動遊具は、牛乳パックの手作りで四連パックー12個、U字型―6個、L字型6個
・研究者は加藤純子保育士と、東間掬子です
観察結果
・この組はだれも言葉が出ません。観察時の状況から考察を加えています。1.3月16日(Yのつくりだし、Uの協力?、Tの参加へYの容認)
Yが四連を並べているとUが同型を1個運んできて置く。Yがそれを並べたらTが渡る。
Yの並べに対し、同じ型を選んで運んでくるU,Yの並べに勝手に割り込み、渡るだけのT、普通だったら何で踏むのだ、自分の作ったものだ、いや、やらせろなんて大騒動になる。
2.3月25日(SとMとTの割り込みと協力運び)
MとSが板を二人で運ぶがTがやめる。そこへTがすぐに入ってSと二人ではこびだす。その後Sが再び割り込んで3人で協力して端まで約10Mの距離の運び終える
Tは二人の運びを見ていて。割り込みの機会を得た。途中で運びをやめたSの再加入を容認したSとM。二人共に協同の方法がわかって行動しているように見えた。
3.3月25日(Uのつくり、Mの乗りへUの容認。二人で交代して乗りを楽しむ)
UがU字型の上に板と四連を乗せる。そこへMが来てその上に乗り、外を見る。Mが降りるとUが乗り、交代で外を見ていた。普通だったら、自分の作ったものに何で乗るのかとの拒否騒動や、二人で自然な交代遊びを楽しむなんてできっこないと思うが、・
結論
日常の主体的な遊びの中から、創造性と協同性のめばえと思われる遊びが自然に発現している課題 可動遊具遊びをすると、0歳児の不思議な行動? が、いくつか見える。今後の課題
● 「つくりだし」が活発な原因は?
つくりはじめから終りまでの間には、結果への期待感がある?→ 渡り、登り降りなど身体活動ができるという小さい玩具には無い期待感があるので作りにも弾みができる?● 協同活動と見える行動
つくる、運ぶ、などの複数の作業が発現。また、つくったものの使用に対する際の無断参加への許容。参加への機会のうかがい、参加者に対してとれる順番行動●言語以前のKY(空気を読む)の発達が顕著。言語よりKYの方がかかわれる効果が大きい
このクラスでは、言語がだれもでていない。「いれて」が出ない。しかし無断参加が普通な年齢であり、それを子ども同士で許容するのは、可動遊具使用の場合により多い光景である。*可動遊具の作り方は、来月のページに掲載予定です。ごらんくださーい!