“不思議”を解き明かそうとした?
今も、鮮明に覚えている。わたし、4歳の時のことおばあちゃんに買ってもらった万華鏡の話です
覗けば覗くほど・・回せば回すほど展開する美と、魅惑の世界
今なら語れる、万華鏡覗きのその果て・・
わずか4歳で、消えてしまった夢の世界で・し・た
その発端から、終末まで、
キラキラを追い、カサコソとひそかな音を聴きつつ覗いた丸い筒この小さな筒に、果てしない美の世界が動き、変化し、広がっている・・・
ああきれい、いっぱい入っているものを、もっと、全部見たい!
いちどに見られたら、どんなに素敵だろう。見たい、見たいな、
中も触ってみたいが、手は入らない
振ってみる、が、何も出てこない
ウーン、どうしたら、どうしたら・・
中のものを、キラキラを、全部全部いっぺんに出して見るためには・・
もう、そこまで来ると止まらない
おばあちゃんがいない隙にハサミで筒を切る?
イヤハヤ、大変な努力で筒を壊して・・中のキラキラを・・
全部取り出した・・・と、思ったが、エ?エ?これだけ?全部でこれだけ?
出てきたのは、プラスチックの赤や青の小さな破片だけ
10個足らずの?たったこれだけ??ほんと?
振っても叩いてもほんとにこれだけ?
エ?このごみくずはどう見てもあの夢の世界ではない。なぜ?なぜ?
びっくり。唖然。憮然。
ややあって、壊してしまった現実に戻る
おばあちゃんには何て話したらいいのだろう・・
驚愕の次に、悲しみと、恐れがいっぺんに来た
4歳の幼児の気持ちとしては、“みるみる白髪のおばあさん”
後日談
最後に、壊した筒の中から小さな鏡の破片が出てきた鏡と破片の組み合わせで夢の世界なんだと理解できたのはずっと後
そして大人になってからひたひたと思い出されるのは・・
やはり、“見たかった!”という、あの強烈な思い
落ち込みの記憶はずっと残っている
うん、4歳ながらすごい情熱だったな、と、
今は当時の自分を許せるどころか、強いアタックは勲章ものだったなと、同情
そして時に、乳幼児の見たい!知りたい!ハチャメチャ行動に、
あの頃の自分をすり合わせてウンウン、と共鳴している
エジソンの赤い卵じゃないけれど、
乳幼児の疑問と興味が盛り上がり、
「壊しちゃってもいい」が前提、という玩具って、
ほんとは作られてもいいんだよ、ねえ
万華鏡を超える魅惑の玩具ってさあ